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分子接合

分子接合技術の次世代複合材料への応用

今回は、分子接合技術の複合材料への応用についてご紹介します。

複合材料の進化と、今求められているもの

複合材料は、異なる素材を組み合わせることで、単一材料では不可能な性能を実現してきました。これまでは「エポキシ樹脂(熱硬化型)×ガラス繊維・カーボン繊維」の組み合わせが主流でしたが、近年では大きな変化が起きています。

 

・マトリックス樹脂の多様化: PP(ポリプロピレン)やPA(ポリアミド)といった熱可塑性樹脂へ適用。
・充填材の多様化: ガラス、カーボンに加え、アラミド繊維や各種粉体、長繊維などへの広がり。

 

しかし、ここで大きな壁となるのが素材同士の相性です。

現行の複合材料が抱える「界面」の課題

新しい複合材料を実用化するための課題は、樹脂と充填剤の界面を十分強く接着させることです。これが達成できないと、樹脂と充填剤が本来持っているポテンシャルを引き出すことができないのです。
これまでもシランカップリング処理等の表面改質は行われてきましたが、これらは主に「なじみ(濡れ性)」を改善するものでした。素材同士を分子レベルで強固につなぐ「化学結合」にまでは至っておらず、強度の設計に限界があったのです。

分子接合技術によるソリューション

弊社の分子接合技術(MB技術)は、マトリックス樹脂と充填材を強固な「化学結合」でつなぎます。
接着強度を分子レベルで制御することで、ヤング率、破壊強度、破壊靭性といった材料特性を自在にコントロールすることが可能になります。

応用事例のご紹介

PP/ガラスクロス複合材料:化学の力で「混ざらない」を克服

本来、化学的な相性が良くないPPとガラスですが、分子接合処理を施すことで化学的に接合することが可能です。
破断面の観察: 無処理のものに比べ、分子接合を施したガラスクロスにはPP樹脂がしっかりと「まとわりついて」いるのが確認できます。これは界面で強固な結合が形成されている証拠です。

このグラフから言えることは、

 

・剛性(ヤング率): MB剤処理により、グラフの傾きが急峻になり、剛性が大幅に向上しました。
・破壊強度: 他の処理水準を圧倒する高い強度を記録しています。
・破壊靭性: 破壊靭性(グラフの面積)については、本検討では無処理より高く、シランカップリング処理より低くなりました。これは、界面の結合強度を調整する(処理条件を変える、複数の表面処理を施す、など)ことで、制御することが可能と考えられます。

PP/リサイクルカーボン複合材料:サステナブルな素材を高強度に
(コンポジットハイウェイ・アワード2025 準グランプリ受賞)

「熱可塑性樹脂 × リサイクル炭素繊維」という、従来は界面接着が困難だった組み合わせにおいて、弊社の技術が評価されました。

空隙(ボイド)の解消: 無処理では空隙が多く脆い構造でしたが、分子接合処理により樹脂が繊維の隙間に90%以上充填され、緻密な構造体となりました。
応力伝達効率の改善: 分子レベルで結合したことで、外部からの力がスムーズに炭素繊維へ伝わるようになり、引張強度が大幅に向上しました。

まとめ

複合材料は、これまで「素材の組み合わせ」で性能が決まっていました。しかし分子接合技術によって、複合材料が持っているポテンシャルを最大限発揮することが可能になります。
分子接合技術が、複合材の材料設計をする際に、お役に立てれば幸いです。ご興味がございましたら、ぜひお声掛けください。

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